SDCの登場で運用担当の仕事はどう変わる?
スマートディスプレイキャンペーン(以下SDC)は
機械学習により従来のディスプレイ広告で行うチューニングの殆どを自動化します。
その為「運用者の手によって調整を加えることは基本的に不要である」と認識している方が多いようです。
しかし広告運用者が行うべき調整は意外にも沢山存在します。
今回はSDCの成果を加速させる2つのアプローチ【機械学習の促進】と【チューニング】をご紹介します。
アプローチ方法1 機械学習の促進
いかに高度なアルゴリズムであっても機械学習が阻害されてしまっては成果を上げる事はできません。
機械学習の元となるデータセットをしっかりと構築することが成功の鍵です。
どのようなデータを読み込ませるか?を想像しながら向き合うことで、
初めてSDCは真価を発揮するでしょう。
具体的な施策例を見てみましょう。
・広告予算をより多く投下する
SDCではコンバージョンデータを元に機械学習を行います。
SDCを導入後、特に2週間から1ヶ月間は十分に広告予算を確保しましょう。
コンバージョン数が多ければ多いほど、精度が高まりやすい傾向があります。
予算が抑制される「キャンペーン予算設定が低い」「目標CPAが低い」
といった状況も可能な限り解消しましょう。
・ディスプレイ広告配信を全てSDCに集約する
例えば、SDCと平行してリマーケティング配信している場合は
キャンペーンを停止してみるのも手です。
SDCに広告予算とコンバージョンデータを集約させたほうが、
より機械学習の精度が高まる可能性が高まりやすいようです。
本来リマーケティングでコンバージョンが発生していたものが、
SDC側で発生するようになり機械学習効率が高まる。
といったケースも存在します。
・コンバージョンタグの設置場所を工夫する
コンバージョン数が少ない場合は、中間コンバージョンを設けましょう。
例えば「購入完了ページ」といった最終地点だけではなく
「買い物カゴ」など一歩手前のページにもCVタグを設置することで計上されるコンバージョン数が増加します。
「買い物かご」に到達させるために機械学習が働きやすくなるでしょう。
※最終コンバージョンの精度が低下する恐れがあるため注意が必要です。
アプローチ方法2 チューニング
SDCの機械学習は、あくまでコンバージョンデータを踏まえた最適化を行います。
そのためマーケティングの目的を踏まえた配信を行うわけではありません。
運用担当者が自らSDCに対してチューニングを行う必要性があります。
具体的なアプローチ方法をいくつか見てみましょう。
・成果の良いアセットに絞り込む
事前に広告素材(アセット)を複数パターン登録した上で、広告配信を行いましょう。
2週間前後の学習期間のあとは「最良」「良い」「良くない」
といった3段階評価でアセット単位での結果確認が可能になります。
結果が「良くない」広告素材(アセット)を停止して新パターンを追加しましょう。
それ意外にも、例えば何故「良くない」のか?
そもそも「良くない」こと自体に問題はあるのか?
マーケティングの目的と現状を照らし合わせて、意思決定を行うことが重要です。
・配信地域を除外設定する
SDCが自動的に広告主様の商圏を理解して最適化することはありません。
そのため、広告主様の商圏を理解した広告運用者が配信地域の除外を行う必要があります。
また、他の広告媒体の配信結果を踏まえて、意図的にSDCの配信地域を絞り込むのも一つの手です。
・コンバージョン値を設定する
複数のコンバージョンタグを設置している場合、同じコンバージョン数1件であっても
商品購入なのか?資料請求なのか?で1件あたりの価値は違うはずです。
この場合、コンバージョンの価値を考慮した適切な運用が行われていない可能性があります。
①コンバージョン1件あたりの価値を設定して
②SDCの入札戦略を「目標広告費用対効果」に設定することで
コンバージョンの価値による重み付けを行うことが可能です。
より適切な広告運用を実現しましょう。
・プレースメントを最適化する
実際にSDCによってどこのプレースメントに配信されたか必ず確認しましょう。
思いもよらないプレースメントからコンバージョンが発生した際には、理由を深掘りしましょう。
定期的に成果に繋がる場合は、手動プレースメントとして登録するといった施策も考えられます。
明らかにCPAが高いプレースメントや、関連性の薄いプレースメントは除外設定を検討する必要があります。
参考:アカウント単位での除外プレースメント設定方法
最後にアカウント単位で除外プレースメントを設定する方法を詳しく紹介します。
※SDCではアカウント単位でのみ除外プレースメント設定が可能です。
設定手順は以下の5つのステップです。
広告枠を絞り込む際に有効なため、是非憶えておきましょう。
手順① 共有ライブラリを選択
手順② 「アカウントのプレースメントの除外設定」を選択
手順③ 「+リスト」(赤い+ボタン)を選択
手順④ 「除外プレースメント」を入力
手順⑤ 保存