書籍では教えてくれないシリーズ

【上級】広告運用者がコンバージョンを10倍に導いた!フルチャネルマーケティング思考術

連載記事「書籍では教えてくれない運用型広告」

はじめに

成果拡大に向けて取り組んでいると、広告集客単独で生み出せるインパクトが薄れてきて限界を感じることがあります。
集客チャネルを使いこなして、より広い視野でより包括的にアプローチした方が、生み出す成果も大きくなるでしょう。

しかし、「理解はできるけど、どのようにして取り組んだらよいかわからない」というのが現実ではないでしょうか。
そんな悩みを抱えている運用者に、検索連動型広告を軸にコンバージョン数を10倍へと導いた「獲得型フルチャネルマーケティング」とその思考術をご紹介します。

2019年のホットキーワード、フルファネルマーケティング

「獲得型フルチャネルマーケティング」の前に、まずはフルファネルマーケティングについて押さえておきましょう。

フルファネルマーケティングとは、「広く集客したユーザーを行動プロセスごとに分類して最適なアプローチを実行する」
という考えに基づいた、戦略性の高いマーケティング手法のこと。
ユーザーの行動プロセスは、認知、比較検討、興味関心、購入、共有の5つに分類されます。

広告におけるフルファネルマーケティングとは

広告におけるフルファネルマーケティングとは

マーケティングの目的を達成するためには、より戦略的に、より持続的に、ユーザーとコミュニケーションを取ることが重要になります。
広告運用者は、戦略性の高いフルファネルマーケティングを机上の空論で終わらせないよう、
戦略立案を踏まえて適切な広告最適化を実現するという高い運用遂行力が求められます。

効果的なアプローチを実現するには

・入札
・クリエイティブ
・ターゲティング

の3要素を的確にコントロールする必要がありますが、
5分類にも及ぶマーケティングファネルごとにそれぞれ広告最適化をするのは、容易なことではありません。

チャネル(経路)とファネル(漏斗)の関係

視点を少し変えて、ユーザーが商材/サービスに初回接触した際のチャネル・ファネルの関係性を見ていきます。

チャネル(経路)とファネル(漏斗)の関係

チャネル(経路)とファネル(漏斗)の関係

※この場合のファネルはマーケティングファネルとも呼ばれます。

検索広告=「購入」行動プロセスである、と大きく一括りにされてしまうことがあります。
しかし、これは正しいとはいえません。
実際は、流入元チャネル単位でユーザーの行動プロセスが一概に決定されたりはしないのです。

分かりやすく「ライブチケット販売サービス」で例を挙げるなら

・「ライブチケット購入」と検索したユーザー
 =「購入」プロセスにいる可能性大
 ユーザー心理:チケットが欲しい、買えるサイトを知りたい、など

・「ライブチケット日程」と検索したユーザー
 =「興味関心」プロセスにいる可能性大
 ユーザー心理:ライブの頻度が気になる、アーティストに興味がある、など

といったように、同じ検索広告チャネルであってもユーザーの心理や行動プロセスは違ってきます。
運用担当者として、行動プロセスはユーザー単位で異なるもの、という認識をしっかり持っておきましょう。

フルチャネルのメリットとデメリット

運用者にとっては、フルファネルよりフルチャネルの方が身近で取り入れやすいと思います。
しかし、リスクを回避するためにも、その利点と欠点の両方を押さえておく必要があります。

メリット:日々の業務の延長線上にある

チャネルを広げることは、運用者の最も重要なミッションの一つ。
目的達成のため日常的に多くの広告媒体を用いて集客を行っているので、
その延長線上にあるフルチャネルは、運用者にとって身近で実現しやすいものといえます。

デメリット:チャネルの増加により、従来の広告媒体ではカバーできなくなる

年々、サイトへの流入経路であるチャネルは増え、多面化が進んでいます。
そのため従来の広告媒体のみではユーザーを取りこぼすことになり、機会損失が広がってしまいます。

また、情報収集の手段も、Google検索やYahoo!検索の一点集中からSNSや動画へと分散しはじめています。
常にチャネルを広げている運用者であっても、全てのチャネルを即座に使いこなすのは至難の業です。

そこでご紹介するのが、多面化するチャネルを適切に取り込みながら効率よく成果を上げるための
「獲得型フルチャネルマーケティング」です。

獲得型フルチャネルマーケティングの例

医師向け転職サービスを展開している広告主様を例に挙げて、具体的に説明していきます。

コンバージョン発生キーワードを軸にチャネルを広げてみよう

検索連動型広告のレポートを確認して、コンバージョンが多く発生数する主力キーワードを確認してみましょう。

「獲得型フルチャネルマーケティング」思考術

「獲得型フルチャネルマーケティング」思考術

各チャネルに対する異なるアプローチ

各チャネルに対する異なるアプローチ

仮に検索キーワード「医師 求人」からのコンバージョンが一番多いとした場合、
「医師 求人」で検索するユーザーは、求人情報を探すという目的が明確な見込み顧客であるといえます。
これを行動プロセスに当てはめると、「興味関心」もしくは「購入」段階にいるユーザーとなります。

そのため、「医師 求人」の検索結果に表示される全ての入り口(チャネル)を抑える施策が、
コンバージョンの最大化のために非常に効果的であると考えられます。

最後に

フルファネルマーケティングは戦略性の高いマーケティング手法ですが、現実的な導入は難しい部分もあります。
その点「獲得型フルチャネルマーケティング」であれば運用の現場ですぐ活用できる上、「購入」プロセスにいるユーザーを流入させるために特に有効です。

「運用型広告の枠を越えてコンバージョン数の限界を突破したい」、そんな時の施策として参考になれば幸いです。

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