書籍では教えてくれないシリーズ

【初級】ECサイトが今スグ導入検討すべき3つの広告配信機能【DSA,PLA,GDR】

連載記事「書籍では教えてくれない運用型広告」

ECサイト広告運用に動的広告は必須

多くのECサイトの場合、取扱商品の数と種類が豊富であり
ユーザーが興味のある商品はユーザー単位で異なる傾向にあります。

よってECサイトのリスティング広告は、最適化が進むほど
キーワード、広告文、最終ページURLの組み合わせが膨れ上がり
アカウント構造は煩雑になりがちです。

今回は
・日々変化し増え続ける検索語句を自動的にカバーする
・ユーザーの閲覧履歴を元に最適な広告を自動生成する
といった運用効率化と成果最大化を実現するGoogleAdWordsの広告機能を3つご紹介します。

動的検索広告(DSA)

1.概要

動的検索広告(DSA: Dynamic Search Ads)とは
広告主様のウェブサイトと関連性があるユーザーの検索語句に対して
広告を半自動的に生成して表示させる機能です。

広告の説明文など一部の項目に関しては、予め指定する必要があります。
広告見出し、最終ページURL、表示URLに関しては、
ユーザーの興味関心(検索語句から予測)に合わせて動的に生成されます。

■画像:動的検索広告の配信イメージ

■画像:動的検索広告の配信イメージ

2.仕組み

ウェブサイト(URL)を指定することで
様々なサイト内の情報を広告クローラーがスキャンして取得します。
そして①ユーザーの検索語句が、②取得したサイト情報とマッチした際に、
③自動的に最適な広告見出し、最終ページURL、表示URLを生成して広告を表示します。

■画像:動的検索広告 広告配信の仕組み

■画像:動的検索広告 広告配信の仕組み

3.特徴

システムの自動ターゲティングにより
興味関心があると想定されるユーザーに対してのみ自動的に広告を表示します。
よって日々変化する検索語句を自動的にカバーすることが可能になります。
ユーザーの検索語句、商品数、最終ページURLが膨大な広告主様に最適なプロダクトです。

ショッピング広告(旧:PLA)

1.概要

ショッピング広告【旧:商品リスト広告(PLA: Product Listing Ads)】とは
データフィード内の商品情報と関連性があるユーザーの検索語句に対して
データフィードを元に「画像+テキスト」で構成される広告を自動生成して表示させる機能です。
(AdWordsとGoogle Merchant Centerの連携が必須)

※データフィードとは
自社が保有する商品データを配信先のフォーマットに変換してデータを供給する仕組みです。

※Google Merchant Centerとは
商品のデータフィードをGoogleにアップロードしてGoogleショッピング広告を始めとした
Googleサービスで利用できるようにするデータフィードプラットフォームです。

■画像:ショッピング広告の配信イメージ 検索広告枠

■画像:ショッピング広告の配信イメージ

2.仕組み

ショッピング広告は、商品説明、商品ページ、商品画像など
データフィード内の商品情報に基いて広告を自動生成されます。
ユーザーの検索語句と関連性がある商品が自動的に選ばれて広告として表示されます。

■画像:ショッピング広告 広告配信の仕組み

■画像:ショッピング広告 広告配信の仕組み

3.特徴

検索広告枠の上部や右サイドに、ショッピング広告枠は存在します。
従来の検索広告だけではなく、ショッピング広告枠でも表示機会を得ることで
より多くのクリック数を獲得することが可能です。
検索広告とは異なり、ショッピング広告では画像を使って視覚的に商品の魅力をアピールできます。

ショッピング広告は商品数が多いほど配信機会が多く得られやすいため
商品数の多い広告主様に最適なプロダクトです。

動的ディスプレイ広告(GDR)

1.概要

動的ディスプレイ広告(GDR: Google Dynamic Remarketing)とは
ユーザーが過去に訪問したサイト内の商品ページなどの閲覧履歴を基に
ユーザーの興味関心の高いと推測される商品を自動的に選び、広告生成する機能です。
生成された広告は、カード形式で複数並びディスプレイ広告枠にて表示されるのが一般的です。

通常のバナー広告とは異なり、ユーザー単位で商品画像を動的(ダイナミック)に生成するため
動的リマーケティング(ダイナミックリマーケティング)と呼びます。

■画像:動的ディスプレイ広告の配信イメージ ディスプレイ広告枠

■画像:動的ディスプレイ広告の配信イメージ ディスプレイ広告枠

2.仕組み

それぞれ商品ページ別に異なる専用タグを設置することで
ユーザーが過去にどの商品ページを閲覧したのか検知して広告を動的に生成します。
通常とは異なるタグ設置が必要になり、導入ハードルとしては非常に高い部類に入ります。
(基本的にはAdWordsとGoogle Merchant Centerの連携が必要)

 ■画像:動的ディスプレイ広告 広告配信の仕組み

■画像:動的ディスプレイ広告 広告配信の仕組み

3.特徴

専用タグを各商品ページに埋め込むことでユーザー単位で興味のある商品をアピールできます。
動的検索広告やショッピング広告とは異なり、リマーケティングの仕組みを利用した強力な機能です。
そのためターゲットユーザーは過去のサイト訪問者に限定されます。

商品数が多く、リマーケティングの性質上、
検討期間が長い商品を扱う広告主様に最適なプロダクトです。

まとめ

■画像:AdWords機能DSA、旧PLA、GDRの比較

■画像:AdWords機能DSA、旧PLA、GDRの比較

ご紹介した動的検索広告、ショッピング広告、動的ディスプレイ広告を比較表としてまとめました。
どの機能から導入すべきか?それぞれの違いは何か?迷った際の参考になれば幸いです。
※アップデートが激しいため、機能の詳細はAdWordsのヘルプページなどでご確認ください。

終わりに

ECサイトの広告運用はキーワード登録によるターゲティングに頼りきりでは不十分です。
動的に広告を配信する仕組みを積極的に取り入れながら、
「誰に、何を、どのように」を整理した上で、より戦略的な広告運用を実践していきましょう。

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